市指定文化財 寿福寺御本尊日蓮聖人坐像(じゅふくじごほんぞんにちれんしょうにんざぞう)
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- ID:477
指定内容
(市指定)
- 所在地 松之郷1811
- 所有者 (管理者)中峠山寿福寺檀家
- 指定年月日 平成18年3月30日
- 区分 有形文化財(彫刻)
- その他 1躯
- 非公開
紹介
日蓮聖人坐像は、両手で経巻(きょうかん)を開き見る読経像と、右手に笏(或いは檜扇)、左手に経巻を持つ説法像の二形式に大別されるが、本像は説法像の形式をとっている。表情は柔和であり、若々しい。日蓮聖人像としては、全体としてバランス良くまとめられた作であるが、鎌倉・南北朝時代まで遡る作例であるとは思われない。現状では像内の詳細な構造や、銘文等の存否は明らかではない。
本像は、宝暦4年2月付本光寺日受(にちじゅ)「高祖日蓮尊像由来」、文政2年開板「高祖縁起」(何れも『松之郷区誌史料篇』)によれば、元来は武蔵国荏原(えばら)郡新居宿(あらいしゅく)(東京都大田区)の善慶寺に安置されていたものである。
本像は、日蓮の直弟子である和泉阿闍梨日法(1258~1341)作と伝えられ、また前掲の「由来」等によれば善慶寺の火災を逃れたことから、いわゆる「火中出現の日蓮聖人像」としての縁起も併せ持つ霊像であることがわかる。これらの縁起類については、傍証の資料を見いだすことができないが、本像は地域の信仰、さらに遠隔地への信仰の広がりと交流の中心に位置していたことが指摘できよう。