市指定文化財 大絵馬一面(おおえまいちめん)
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- ID:432
指定内容
(市指定)
- 所在地 家之子1384
- 所有者 (管理者)妙宣寺
- 指定年月日 昭和63年6月23日
- 区分 有形民俗文化財
- その他 1枚
紹介
家之子の妙宣寺には大絵馬が2点(「源頼政(みなもとのよりまさ)鵺(ぬえ)退治図」・「平忠盛(たいらのただもり)と油法師(あぶらほうし)図」)ある。両図とも縦126×横165cmで、作者や奉納者は不明ではあるが、典型的な武者絵図である。
これらの絵馬は、以前仁王門にあったが、現在は本堂へ移されている。絵具も上質で力量ある画家が同時期に描いたものと思われる。
市指定文化財の「平忠盛と油法師図」は、平安末期の京都祇園社での出来事を画題としたものである。白河法皇の信頼厚く、近侍(きんじ)として仕えた平忠盛が、夕闇迫る雨の中、麦藁(むぎわら)を束ねて笠の代わりにかぶり、油壷(あぶらつぼ)と松明(たいまつ)を携え境内の灯篭(とうろう)に油を注いでいた老法師(坊主)を、鬼と間違えて捕らえる場面を描いたものである。
題材は「平家物語」に書かれている伝説に由来するものであるが、奉納の意図は定かではない。多くの武者絵が各地の寺社に奉納されているが、このような図は珍しい。