○東金市議会基本条例
令和5年12月22日条例第21号
東金市議会基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第5条)
第3章 市民と議会との関係(第6条・第7条)
第4章 議会と市長等との関係(第8条―第12条)
第5章 議会運営(第13条―第18条)
第6章 議会の体制整備(第19条―第24条)
第7章 最高規範性及び見直し手続(第25条・第26条)
附則
東金市議会は、日本国憲法がうたう地方自治の下、二元代表制の一翼を担う議会の権能を高めることで市民福祉の向上と地域社会の活力ある発展の実現を目標とする。
議事機関たる議会が多様な市民の意見を代表できるという合議機関としての特性を最大限に生かしていくためには、これまで以上に公平・公正・透明な議会運営や市民に開かれた議会づくりを推進し、自由かっ達な討議を重ね、情報の提供と共有化を図り、積極的に参加を求めていくことが必要である。
これまでの議会改革を踏まえ、自らの創意工夫により市民に身近な議会運営に努め、議会の活性化を積極的に推進し、市民に信頼される議会運営に取り組まなければならない。
東金市議会は、これらの理念や目標を達成するため議会の最高規範としてこの条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、東金市議会(以下「議会」という。)の基本理念、東金市議会議員(以下「議員」という。)の責務、活動原則等を定めることにより、合議制の機関である議会の役割、議会と市民との関係及び議会と市長等との関係を明らかにするとともに、日本国憲法(以下「憲法」という。)と地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確に応え、市勢の伸展と市民福祉の向上に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、市政における唯一の議事機関としての責任を自覚し、市民の意思を市政に反映させるため、公平かつ公正に議論を尽くし、地方分権時代にふさわしい真の地方自治の実現を目指すものとする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条 議会は、憲法第93条第1項で定める市民を代表する議事機関であることを常に自覚し、議員の合議機関として、常に公平性及び透明性を確保し、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)について、適切な行政運営が行われているかを監視し、点検し、及び評価すること。
(2) 政策提案権を積極的に活用することができるようにすること。
(3) 意思決定に当たって、議員間及び市長等との自由かっ達な討議を通して論点を明らかにし、合意形成に努めること。
(4) 市民の多様な意見を的確に把握することに努め、市政に反映させるための議会運営を目指すこと。
(5) 市民が傍聴の必要性を認識できる議会運営に努めること。
(6) 市民に分かりやすい言葉及び表現を用いた議会運営に努めること。
(災害時の議会対応)
第4条 議会は、災害時においても、議会機能を的確に維持しなければならない。
2 災害時の議会の行動基準等に関しては、東金市議会業務継続計画(議会が災害時においても議会としての権能を果たすために必要な事項を定めた計画をいう。)で定める。
(議員の活動原則)
第5条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 市民の代表としてふさわしい品位を保ち、常に研さんに努め、東金市議会議員政治倫理規程を遵守すること。
(2) 議員による積極的な条例提案を行うよう努めること。
(3) 議会の構成員として、一部の団体又は地域の代表にとどまらず、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。
(4) 議会活動について、市民に対して積極的に情報を伝えるよう努めること。
第3章 市民と議会との関係
(市民参加及び市民との連携)
第6条 議会は、議会活動に関する情報を積極的に公表し、透明性を高めるとともに、説明責任を十分に果たすものとする。
2 議会は、市民と多様な意見交換の場を設け、議員の政策立案能力を強化するとともに、政策提案の拡大に努めるものとする。
3 議会は、委員会において請願又は陳情の審査を行うに当たり、請願又は陳情の提出者から趣旨説明の申出があったときは、説明の機会を設けるものとする。
(議会報告会)
第7条 議会は、市民との対話と報告の場として、意見交換会を含めた報告会(以下「議会報告会」という。)を年1回以上行うものとする。
2 議会報告会に関する事項は、別に定める。
第4章 議会と市長等との関係
(市長等との関係)
第8条 議会審議における議員と市長等との関係については、品格及び冷静を基調とする緊張関係を保持するものとする。
2 本会議における一般質問は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うものとする。
3 市長等及び市長等から委任を受けた者は、本会議において、議員の質問に対して反問することができる。
4 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して市長等に対し資料請求を行うことができる。
(市長による政策形成過程の説明)
第9条 議会は、市長等が提案する重要な計画、政策、事業等(以下「政策等」という。)について、議会審議における論点を整理し、その政策等の水準を高めることに資するため、市長に対し、次に掲げる事項に関し詳細な説明を求めることができるものとする。
(1) 政策等を必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 市民参加の実施の有無及びその内容
(4) 他の地方公共団体の類似する政策等との比較検討
(5) 総合計画における根拠又は位置付け
(6) 政策等の実施に係る財源措置
(7) 将来にわたる政策等の費用及び効果
(重要な政策等の評価)
第10条 議会は、重要な政策等の提案を受けたときは、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における評価に資する審議に努めるものとする。
(予算及び決算における説明)
第11条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、市長に対し、施策又は事業ごとに分かりやすい説明を求めるものとする。
(議決事項の追加)
第12条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づき、必要な事項を議会の議決事項として追加することができる。
2 前項の規定に基づく議会の議決事項については、条例で別に定める。
第5章 議会運営
(討議等の原則)
第13条 議会は、議事機関として、その意思決定に当たり、議員間の公平で自由な議論を尽くすため、本会議においての議員の討論については、賛否を明確にして行うものとする。
2 議会は、原則として、委員会活動を中心に委員間討議を行うものとする。
(議長の権限と役割)
第14条 議長は、法に定めるところにより議会を代表し、議会を秩序保持し、議事を整理し、議会事務を統理し、公平公正な議会運営を行う。
2 議長は、議会全体の代表として、中立性のある活動を行う。
(議長及び副議長志願者の所信表明)
第15条 議会は、議長及び副議長の選出に当たり、本会議において、それぞれの職を志願する者に対して所信を表明する機会を設けるものとする。
(会派)
第16条 議員は、同一理念を共有する他の議員と結成した政策集団として、議会活動を行うための会派を結成できるものとする。
2 会派は、政策立案、政策提言等において議論を尽くし、その意思を表明することができる。
3 会派について必要な事項は、東金市議会会派規程で定めるものとする。
(会派代表者会議)
第17条 会派代表者会議について必要な事項は、東金市議会会派代表者会議要綱で定めるものとする。
(議員全員協議会)
第18条 議員全員協議会について必要な事項は、東金市議会議員全員協議会要綱で定めるものとする。
第6章 議会の体制整備
(議員研修)
第19条 議会は、議員の政策形成及び政策立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。
(議会事務局の充実)
第20条 議会は、議会及び議員の政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査機能及び組織体制の整備に努めるものとする。
(議会図書室の充実)
第21条 議会は、議員の調査研究の推進のために、議会図書室の充実強化に努めるものとする。
(議会広報の充実)
第22条 議員は、議会だより、市議会ホームページ等の多様な広報手段を活用し、多くの市民が議会及び市政への関心を高めるための体制整備並びに議会広報活動の充実強化に努めるものとする。
(専門的知見の活用)
第23条 議会は、市の直面する重要課題に対応するため、法第100条の2の規定により、必要に応じて大学等研究機関との連携又は専門的な知識及び経験を有する者の知見の積極的な活用を図るものとする。
(情報通信技術の活用)
第24条 議会は、全ての議会活動を円滑かつ効率的に行うため、情報通信技術の積極的な活用を図るものとする。
2 議員は、災害の発生、感染症のまん延、妊娠、出産、育児、介護、自らの疾病等、やむを得ない理由により議事堂に参集することが困難なときは、その状況に応じた情報通信技術の積極的な活用を通じ、議会活動の継続を図るものとする。
第7章 最高規範性及び見直し手続
(他の条例との関係)
第25条 この条例は、議会に関する基本的事項を定める最高規範としての条例であり、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃する場合は、この条例に反してはならない。
(検証及び見直し手続)
第26条 議会は、この条例の目的が達成されているかを議会運営委員会で検証し、必要に応じてこの条例の見直しを行うものとする。
附 則
この条例は、令和6年4月1日から施行する。