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あしあと

    令和4年度幼稚園・保育所・認定こども園職員研修会

    • [更新日:]
    • ID:10500

    市立保育所・認定こども園研修部会発表会&書籍の紹介

    研修発表会

    市立保育施設では、全園共通テーマ及び各園のサブテーマに沿った研修を行い、1年の成果を年度末に発表します。全園の発表ののち、園内研修の講師をお願いしている大妻女子大学准教授 石井章仁先生より次のような講評をいただきました。

    〇東金の『自己評価(研修まとめ)』はすごく珍しい形であり、園内研修の成果が次の課題や次年度の研修テーマにつながっていくという、大変わかりやすいものである。負担があると思うが、保育者のみなさんは素晴らしい実践をしていることに自信を持って欲しい。他市町村の園内研修に指導に行った際に、東金市の自己評価を紹介することもあり、お手本になるべきことを行っているという自負があって良い。

    〇本当は非公表としている『事例集』も公表できれば、例えば保護者が見たら、「先生方はこういうこと考えてるんだな、こういうこと大事にしているんだな」ということが伝わる。

    〇今、不適切保育が問題となっているが、子どもが主体の保育であり、保育者の学びがあり、園内研修等により外部講師の目が入っていれば、不適切保育は起きないと思っている。東金市立の園に来ると、不適切保育は起こりえないな、とすごく安心して保育をみさせていただいている。

    〇園内研修に入るようになり6年が経つが、自分が学ぶことがたくさんある。毎回、驚くような実践事例がどこの園にもあってびっくりする。1つ足りないことがあるとすれば、そのハッとするような取り組みを横で共有できていないこと。もっと園を越えてお互いの保育を見合うような機会があるとより面白いと思う。

    〇実践事例・・・乳児が外でおやつタイム(カフェ)・3歳児が木工で作る家・保育室全体を使った常設のジャンングル・真冬でも水を使った砂場遊び…などなど。

    〇こういったことを積み重ねていくと、ますます良くなっていく。ますます良くなるとどうなるかというと、保育者のみなさんがすごく楽しくなる。そんな良い循環が東金市の園の中で起きていて、まさに上り坂である。保育者のみなさんは日々大変かもしれないが、横でみている私はそう感じている。毎年私が学ばせていただいており、このような研修が自己評価につながる事例は全国的に東金市だけだよということをまずは東金市の職員のみなさんが認識し、胸を張って、楽しく保育に向かっていただけたら良いなと思う。

    「自己評価」は東金市ホームページに掲載しています。

    https://www.city.togane.chiba.jp/0000009127.html


    発表会の様子

    保育所における自己評価ガイドライン【改訂版】試行検証事業への参加

    平成21年3月に厚生労働省が示した「保育所における自己評価ガイドライン」は、令和2年に改訂されましたが、その際に、ガイドラインの試案を用いた試行検証事業及びハンドブックの作成事業が行われ、東金市立第1保育所が協力園のひとつとして依頼を受けました。訪問調査チームとして大学教授等が保育所に来て試行検証を行うとともに、所長及び主任保育士が複数回に渡る共通セッションに参加しました。

    訪問調査チームの先生は、第1保育所に何度も来園し、さまざまな記録書類の確認・各種会議への参加・保育者へのインタビューを通して、第1保育所が保育の振り返りをどのように行い、どのような成果をもたらしているか等について検証を行いました。その中で、新任保育者のサポートとして、保育におけるエピソードを数行で書き留める様式を作成し書く仕組みを試してみたところ、保育者本人の気づきや子ども理解が客観的に見えてくる等、一定の成果がありました。

    全国から集まった公立・私立の10園及び作成協力者27名(大学教授等)による共通セッション自体も非常に学びのある場であり、『保育現場は「子どものことを語り合う風土」が大事』という意見が多数出て、保育者が発言しやすい職場づくりとして、短時間ミーティングを行う工夫や小さなエピソードを書くための様式の見直しなど、負担にならずに対話を活性化させる仕組みづくりが大切であると再認識しました。

    チェックリストや数値化した自己評価の方が簡単ではあるのですが、東金市は、既に毎年行っている園内研修自体に一工夫することで自己評価とし、これは、ガイドライン改訂後に全国の保育所を対象として国が行った研修会でも事例のひとつとして紹介されています。

    2021年厚生労働省「保育所における自己評価ガイドライン研修会」資料

    • (PDF形式、786.56KB)

      厚生労働省が2021年に実施した研修会において、事例の一つとして紹介されたものです。

    書籍の紹介

    「人口減少時代に向けた保育所・認定こども園・幼稚園の子育て支援」という本が、2023年2月20日、中央法規出版株式会社から発売されました。

    本書は、人口減少・少子社会を迎え、大きな転換期を迎える保育・教育施設のこれからのあり方を、子育て支援の事例から見出すことを目的として作成されたもので、東金市立保育所・認定こども園の代表として第2保育所の現所長である大泉由美子先生を主な執筆者とし、全5園が実際の事例を持ち寄って作成したものが掲載されています。

    ・園内研修から保育者の意識改革!保育者としての育ち!

    ・子ども主体の保育による変化

    ・やってみたい!が形になった取り組み

    ・幼保の連携~幼保一体化に向けて

    ・自己評価と園内研修の課題への取り組み

    このような、市立保育施設の取り組みをギュッと紹介しています。

    「保育所・認定こども園・幼稚園の子育て支援」

    東金市の取り組み

    市立保育所・認定こども園 外部講師の巡回指導(園内研修)令和4年度後半

    市立保育施設の園内研修に、大妻女子大学准教授 石井章仁先生を外部講師としてお招きした今年度2回目の巡回指導から、今回は第2保育所の研修について紹介します。

    研修の日は、『生活発表会』の当日。保育施設では、”子ども主体の行事”を目指して試行錯誤しています。

    園行事は、子どもの成長の節目を確認して喜ぶ場であったり、四季の移り変わりを実感し自然の恵みに感謝する機会であるなど、大切な意味や意義があり、その役割は大きなものです。しかし、行事を中心に保育を組み立ててしまうと、子どもや保育者が行事のために『しなければいけないこと』に追われてしまう場合もあります。そんなことにならないよう、日々の主体的な保育がなるべくそのまま行事に活かせるように、また、保護者のみなさまに、普段の子どもの様子や成長した様子が伝わるような行事を目指しています。

    第2保育所の生活発表会は、3・4・5歳児がそれぞれ数曲の『おゆうぎ』から踊りたい曲を選び、また、日常の保育で遊んできたことを発表しました。

    おゆうぎの発表

    木工遊びの発表

    この日の講師の指導では…

    ・子どもたちが伸び伸びとした顔をしていて、とても良かった。

    ・発表会の衣装は、できれば子ども自身が作り、自分で着ることができるような仕様が良い。

    ・数曲の『おゆうぎ』から子どもが好きなものを選んでいて選択肢があるように見えるが、その選択肢に『踊り』しかないとも言える。もっと他の選択肢もあると良かった。

    ・踊りやセリフは、子どもに投げかけて子ども自身が考えて決めていくと良い。練習と本番が違っても良い。

    ・子どもは、場所が変わると緊張することもあるため、普段の遊びの場面でホールを使っていくことも必要。

    ・行事が終わりその様子を保護者へ伝えるときは、「みんなで楽しくできましたね!」ということだけではなく、”こういうことをやってきたから、こういう風になりました”という経過を伝えていくことも大事なこと。

    このように、石井先生からさまざまな指導をいただいています。子どもも保育者も日々試行錯誤。そんなステキな第2保育所です。

    ダイナミックな砂場遊び

    色水遊び

    行事が終わったら外で遊びます。今年の第2保育所では、冬場でも水を使っての砂場遊びが盛ん!!夏は裸足で、冬は長靴で。伸び伸び、生き生きと遊び込む子どもの姿がみられます。色水遊びにも熱中しています。この遊び込む経験こそが、就学前児童の教育で大事なことと言われています。

    保幼小合同研修会 令和4年8月22日開催

    テーマ「早速実践したくなる!『保幼小接続の具体的事例』を学ぶ」

    研修の写真


    明治学院大学 心理学部教育発達学科 教授 松嵜洋子先生を講師としてお招きし、保幼小(保育所・幼稚園・認定こども園・小学校)の先生方を対象とした研修会を行いました。本研修会は毎年実施して今回で5回目となりますが、接続期について見識の深い松嵜先生のお話は、何度聞いても新たな学びがあり、毎年度リピート希望があります。

    研修参加者からは次のような感想が出ています。

    ・幼児教育でも小学校でも、子どもを主体として活動を決めていかなければならないと感じました。年長児を担任する際には、就学を見据えて発達を捉えていかなければならないと思いました。(就学前児童施設)

    ・小学校と幼保の違い、お互いの立場から見た考えを知ることができました。小学校接続を意識した今後の援助方法や指導計画作成の参考になりました。(就学前児童施設)

    ・小学校と幼保が交流するときに、どんな活動を行って行ったら良いか大変参考になりました。コロナ禍でさまざまな行事が中止となり難しい面もありますが、有意義なかかわりを考えていきたいと思います。(小学校)


    東金市立幼稚園・保育所・認定こども園では、『アプローチカリキュラム(小学校への接続期に特化した指導計画)』を令和3年度に策定しました。「育みたい資質・能力の3つの柱」と「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」を捉えた活動を例示したものです。

    接続期においては、就学前後の子ども同士の交流も大切ですが、先生同士の交流もまた重要です。本研修会を足掛かりとし、各校・園での交流がますます活発化すると良いなと考えます。

    市立保育所・認定こども園 外部講師の巡回指導(園内研修)令和4年度前半

    市立保育所及び認定こども園の教育・保育の質の向上を図るため、外部講師による巡回指導(園内研修)を行っています。外部講師は、園内研修の研究をされている大妻女子大学准教授 石井章仁先生にお願いしています。

    石井先生は朝から来園し、午前中は3時間ほどじっくりと保育の様子を見ながらビデオ撮影を行い、午後から子どもの午睡中に、保育者が2班に分かれて午前中の動画を見ながら指導を受けます。年度前半と後半の1回ずつ、各園計2回行います。

    福岡こども園 研修の写真

    豊成こども園 研修の写真

    今年度は、「生きる力を育む」という全園共通のテーマを持ち、更に、各園ではそれぞれのサブテーマを決めて1年を通した園内研修に取り組んでいます。

    例えば第3保育所のサブテーマは、「行事やさまざまな活動を通して、子どもが主体性を発揮できる保育と保育者との関わりを考える。」ですが、1歳児の主体性を考える場面があったのでご紹介します。

    歩けるようになった0・1歳児は散策活動が大好き!広い園庭を乳児の目線で捉えて散策していきます。そんな姿を見守る保育者は、ついつい手を出したくなってしまうのですが…そこをぐっと我慢。斜め後ろから見守ってついていくだけでオッケーですよと石井先生から指導がありました。子どもが指差ししたり、保育者の同意を得るように後ろを振り返ったときは、子どもの心を代弁するような言葉かけをすると良いとのことです。「泥がついたね」「気持ちいいね」というように、気持ちを言語化してあげることで、だんだんと言葉も発達していきます。また、こういった散策活動の様子を写真に収め、ドキュメンテーション(保育場面を写真で切り取り、育ちの過程を可視化したもの。日中の活動の様子や保育の意図をお知らせしています。)を作成し、どんどん保護者に発信していくと良いとのことです。

    子どもの散策活動を見つめてみると、その世界の豊かなことに気づき、子どもの1日がいかに感動的であるかを感じてとても驚きます。こんなふうに、乳児のうちから主体性が育つ環境を作る努力をされている保育者のみなさんです。

    本研修会は平成29年度にスタートし6年目となり、年々研修の中身が深まっているように感じます。年度後半の巡回指導も楽しみです。

    0歳児の写真

    1歳児の写真

    合同研修会 令和4年8月2日開催

    テーマ「園児が伸び伸びと過ごせる支援を学ぶ~配慮が必要な子にスポットを当てて~」

    研修会の様子の写真

    城西国際大学 福祉総合学部福祉総合学科 教授 倉田新先生を講師としてお招きし、前半は改めて「障がい」についての知識を深め、後半は事例動画を元に実践を学びました。

    研修参加者からは次のような感想が出ています。

    ・「差別とは何か?」「差別をしていないか?」をいう切り口からの導入が新鮮でした。

    ・今まで「障がい」は「個性」だと教わってきたが、そうでないことを初めて学び、それこそが差別だということを知りました。

    ・「障がい児保育に必要なことは自分自身を変えること、その子自身のありのままの姿を受け止めること」という言葉が心に響きました。

    また来年度以降にも倉田先生をお招きし、更なる学びの場を作っていきたいと思います。

    倉田先生は、男性が「保育士資格」の取得を認められた1977年に、4年制大学で日本初となる保育士資格を取得され、現場経験も豊富で、保育学・食育・インクルーシブ保育などをご研究・ご活躍されています。また、令和6年度に開園予定である「東金国際こども園」の設置・運営を行う公私連携法人 社会福祉法人ユーカリ福祉会の事務総長も兼ねていらっしゃいます。東金国際こども園は、東金市立東金幼稚園と第1保育所を引き継ぐ施設として、公立施設とともに東金市の保育を支えていくことになりますので、開園後は、公私双方の保育者が行き来して学び合えるような関係を作れたら良いなと考えています。

    合同研修会(若手保育者対象)令和4年5月26日開催

    テーマ「子ども理解からはじめよう〜日々の保育を楽しむために〜」

    研修会の様子の写真

    千葉明徳短期大学 保育創造学科 准教授 伊藤恵里子先生を講師としてお招きし、「子ども理解」についてじっくりと勉強しました。

    「ラーニング・ストーリー」というニュージーランドの保育で用いられている「子どもの評価理解」方式を教えていただきました。これは、日本語に訳すと「学びの物語」や「学びの軌跡」といい、子どもを局所的に捉えるのではなく『一つの物語』として捉えることで、全体的な観点から子どもの成長や発達を捉える点に特性があるそうです。

    ラーニング・ストーリーを活用して子どもを観察し、観察したことを解釈し、それについて保育者同士で議論し合い、合意を形成していくカンファレンスを行うことが重要とのことです。

    伊藤先生はとても柔らかい語りで丁寧に教えてくださいました。研修参加者は、研修教材の子どもの映像を複数回見ることで深く理解し、また、その後のグループワークで意見交換を行うことで他者目線からも学ぶ良い機会となりました。子ども理解の進め方の手順や、保育記録の一助となる手法を教えていただき、早速、日々の保育で活用していきたいという意見がたくさん出ています。